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平和憲法のもと経済大国日本へまっしぐら『昭和史 戦後篇 1945-1989』を読んでみた

2015/03/09 | Book Review

昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)

この本のまとめ

・日本は戦争に負けた後、平和国家として経済発展のため全力で働いた
・そして、アメリカに次ぐ世界第2の経済大国になった
・しかし、バブルが崩壊して国民が一丸となって目指す目標を見失った

 

敗戦当時中学3年生で、その後東大を出て出版社に就職したこの本の著者の目に映った日本社会の光景が描かれています。具体的には、終戦直後の食料不足の中をたくましく生きる姿などです。著者の実生活などから日本がどんどん豊かになっていくことがわかります。

今の日本国憲法が作られるプロセスも紹介されています。民間の評論家や学者がつくった「憲法研究会」が「日本の政治のことは国民が決める」「天皇は儀式などに専念する」という趣旨の憲法案をつくり、この考え方が日本を占領したアメリカ人を経由して今の日本国憲法に採用されました。

今の憲法9条の「戦争をしない」という考え方は当時の日本の総理大臣が言い出したものという説も紹介されています。ただし、この説が本当かどうかは謎だそうです。憲法だけでなく、教育など様々な社会の仕組みが、アメリカなどの指示と国民の平和や民主主義を求める気持ちなどに後押しされて、戦後大きく変化して今の仕組みができていったことが説明されています。

戦争で日本をめちゃくちゃにしたのが軍と官僚です。戦後、軍は解体されましたが、アメリカが官僚は優秀だからといってクビにしませんでした。このことが戦後の日本を「官僚主導」にしたのではないか、とこの本の著者は考えています。戦後日本の「官僚主導」は途中までうまくいったものの、無責任や過剰な自信、そして自己保身のせいでバブル崩壊や少子化、巨額の借金を生み出してしまったとこの本の著者は指摘しています。

この本の著者は今後日本がどういう国にするのかを決めるのは若者だといっています。その一方で、「日本よ、いつまでも平和で穏やかな国であれ」とも言っています。平和や穏やかさを守りながら、今の日本社会が抱える問題を解決するにはどうしたらいいかを、私たちは、この本を読んだうえで考えていきたいと思いました。昭和が始まってから戦争が終わるまでについては「どうして日本は戦争に?『昭和史 1926-1945』を読んでみた」をチェックしてみてください。

昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)
半藤 一利
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