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軍国日本を徹底批判『暗黒日記』を読んでみた

2015/03/03 | Book Review

暗黒日記―1942‐1945 (岩波文庫)

この本のまとめ

・戦争へと突き進む日本の様子を痛烈に批判
・当時の日本の政治家や軍人、そしてメディアの動きを具体的に知ることができる
・焼け野原になった東京の姿も記されている

 

清沢の鋭い批判やメッセージの数々を以下で紹介します。

「この戦争において現れた最も大きな事実は、日本の教育の欠陥だ」
「感情に訴えなければ戦争は完遂できぬか」
「子供の知識所有者が政治をやっている!」
「無学の指導者と局部しか見えない官僚とのコンビから何が生れる!」
「官僚と軍人の政治というものが、こうも日本をめちゃ(くちゃ)にさせてしまったのである。ああ」

「国民の無知は想像以上である」
「世界には通用せず」
「日本の頭脳のレベル、世界的レベルより落つ。悲しむべし」
「国家を最大絶対の存在と考え、その国策の線に沿うことが義務だという考え方」
「自己満足がすなわち対手(あいて)の満足だと考えている」

「新しい時代には言論自由の確保ということが、政治の基調とならなくてはならぬ」
「民主主義以外に人間の安全を確保する道なし」
「婦人の地位をあげることも必要だ」
「この世界から戦争をなくすために、僕の一生が捧げられなくてはならぬ」

清沢は日本政府のことを厳しく批判していますが、彼の愛国心が垣間見える部分や、アメリカ軍が飛行機で日本の民間人を爆撃していることを批判している部分もあります。彼は決して「反日」「売国奴」などではありません。本当の「反日」なら「日本の頭脳のレベル、世界的レベルより落」ちることを「悲し」んだりなどしません。

清沢の批判が、今の日本にも当てはまると思った人もいるかもしれません。今すぐ戦争が起きるとは考えにくいですが、戦争のときの日本と似ている点が今の日本にあるとすれば、やはり気分のいいものではありません。今の日本を不安視する人たちが書いた『街場の憂国会議』もよかったら読んでみてください。

暗黒日記―1942‐1945 (岩波文庫)
清沢 洌
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