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「脱原発」派に強力な助っ人登場!!

2014/07/15 | Domestic

救助
原発賛成派の安倍内閣が誕生したことにより、苦境に立たされていた「脱原発」派ですが、ここに来て強力な助っ人が登場しました。その援軍とは、政府にも命令することができる「裁判所」です。

事故の被害の大きさを主張、再稼働に高いハードル

関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを求めた住民の訴えが5月21日、福井地裁で認められました。

判決は、「福島原発事故においては、15万人もの住民が避難生活を余儀なくされ、この避難の過程で少なくとも入院患者等60名がその命を失っている。家族の離散という状況や劣悪な避難生活の中でこの人数を遥かに超える人が命を縮めたことは想像に難くない」と、原発事故の危険の大きさについて述べました。

そして、原発に求められる安全性について、「ひとたび深刻な事故が起これば多くの人の生命、身体やその生活基盤に重大な被害を及ぼす事業に関わる組織には、その被害の大きさ、程度に応じた安全性と高度の信頼性が求められて然るべきである」「具体的危険性が万が一でもあれば、差し止めが認められるのは当然だ」とし、再稼働にかなり高いハードルを設けました。

関西電力の安全対策を否定

関西電力がその高いハードルをクリアしているかについては、「原発が有する本質的な危険性についてあまりに楽観的」「国民の安全が優先されるべきであるとの見識に立たず、深刻な事故はめったに起きないだろうという見通しで対応が成り立っている」とバッサリ。

原発の耐震設計をする際に想定する地震の大きさを示す「基準地震動」が適切かどうかについては、日本各地の原発で05年以降、基準地震動を超える揺れが5回観測されている事実を重視し、「基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通しだ」と真っ向から否定しました。

人権と電気代を比べるな

原発推進派の代表的な「脱原発」派への批判に、「原発を再稼働しないと電気代が高くなる」「原発を再稼働しないと石炭や天然ガスをたくさん買わなくてはならなくなり、石炭や天然ガスの代金の支払いによって日本のおカネが海外に出ていく(国富が流出する)」というものがあります。

それに対して、判決は、「人格権(『名誉権』『自由権』『環境権』『プライバシー権』などの、人間が人間らしく生きていくために必要な権利)は憲法上の権利であり、また人の生命を基礎とするものであるがゆえに、我が国の法制下においてはこれを超える価値を他に見出すことはできない」と人格権は経済活動より上位にあると主張しました。

そして、「多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いという問題を並べて論じるような議論に加わり、議論の当否を判断すること自体、法的には許されない。原発停止で多額の貿易赤字が出るとしても、豊かな国土に国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の損失だ」と原発推進派を一刀両断しました。

私たちも自分の電気の使い方を見直したほうがいいかも

日本の裁判は三審制であり、この判決は一つ目なので、まだ裁判の決着はついておらず、大飯原発の運転差し止めが実現されるかどうかはまだわかりません。

しかし、この判決で示された原発再稼働禁止の根拠は明快かつ強力であり、これを覆すのは簡単ではないといわれています。大飯原発以外の原発にも当てはまる根拠も多く、他の原発の運転差し止め訴訟を含めた「脱原発」運動全体に大きな影響を与えそうです。

裁判所で「原発はダメ」という結論になれば、政治家の意思にかかわらず日本は「脱原発」の道を歩むことになります。その時に備え、私たちも自分の電気の使い方を見直したほうがいいかもしれません。
(今野優之)

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