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国会議員の給料、本当に減らしていいの?

2014/07/14 | A to Z

給料2

国会議員の給料削減の約束果たされず

東日本大震災の復興財源捻出などの目的で続けてきた国会議員の歳費(給料)2割削減が2014年4月末で終わり、5月から満額支給されています。

衆議院解散前の2012年11月の党首討論で、当時の野田首相は自民党総裁だった安倍現首相に『(国会議員の)定数削減をやり遂げるまでは議員歳費の削減を続ける』と提案し、安倍氏も『約束しますよ』と言ったのに実現しなかったため、批判されています。

もちろん、約束を守らないのはよくありません。しかし、本当に日本の国会議員の給料は高すぎるのでしょうか?

国会議員の給料、秘書の人件費で半分以上なくなる

単純計算で日本の国会議員の収入は年間約4000万円程度と言われています。「たくさんもらってるじゃん」と思う人もいるかもしれませんが、4000万円がすべて議員の懐に入るわけではありません。

日本の法律では、国の費用で雇える秘書は3名までですが、3名程度のスタッフで足りないので、自腹で秘書を雇います。これを「私設秘書」といいます。一般にふつうの議員の私設秘書は5~10名と言われています。

私設秘書を雇用する経費を、少なく見積もって一人あたり年間400万円(社会保障費のコスト含む)として、最低人数の5名だと考えてもこれだけで年間2000万円。収入の半分以上は消えてしまいます。

1000万円以下で国会議員に当選できる人はごくわずか

そして、なんといっても、選挙にはおカネがかかります。まず、立候補するに当たって供託金という制度があります。

供託金とは、立候補するときに一時的に法務省などに預けるお金です。たとえば、衆議院選挙で小選挙区から出馬する場合、必要な金額は300万円です。このおカネは選挙である程度票を得ることができれば返却されますが、 たとえ戻ってくるとしても一旦預けるためのおカネは用意しなければなりません。

このほかにかかるおカネとしては、選挙運動に携わる人などの人件費、選挙事務所などの会場費や光熱費、連絡のために使った電話代、はがき代などの通信費、選挙運動用ポスターなどの印刷費や文具代、弁当代、協力してくれる人たちの休憩場所の会場費などがあります。1000万以下の費用で国会議員に当選できる人はごくわずかとも言われています。

国会議員の給料を減らすと、金持ちばかりが議員に
なり、私たちの声が届かなくなる

しかも、政治家は選挙で落ちたら「タダの人」です。日本では、一度サラリーマンを辞めた人間は簡単にサラリーマンに戻れないので、政治家を目指すのはとてもリスクが高いのです。以上のことを踏まえると、今でも日本の国会議員の給料は高いとは言いきれません。

それにもかかわらず、国会議員の給料を削ったらどうなるでしょうか。貧しい人、フツーの人が政治家になるのは一層難しくなり、「給料が少なくても財産があるから大丈夫」という金持ちばかりが国会議員になるでしょう。

金持ちは、私たちフツーの人間がどういう暮らしをしていて、どういうことに困っているかがわかりません。そうなれば、政治の世界に私たちの声が届かなくなり、政治がますます身近なものでなくなってしまいます。

国会議員は「身を切る」べきだ、といって給料削減を主張する人がいますが、切り捨てられるのは私たちの声なのです。(今野優之)

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