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集団的自衛権って何?ほんとに必要なの?

2014/05/07 | A to Z, Domestic

日米3
最近、安倍首相が憲法解釈を変更することで集団的自衛権を容認しようとしています。集団的自衛権とは、互いに助け合うグループをつくり、その仲間が他国から攻撃されたら、自国が攻撃されたと同じと考え、仲間の国と一緒になって、攻撃してきた国と戦う権利のことです。では、具体的にどのような場面で集団的自衛権の行使をするのでしょうか。 そもそも、集団的自衛権は本当に必要なのでしょうか。

安倍首相、「対等な同盟関係」のために集団的自衛権が必要と主張

集団的自衛権に賛成する理由として、安倍首相は、アメリカが日本を守ってくれるのと同じように、日本もアメリカを守ってあげることで、「対等な同盟関係」が実現できるからと言っています。そこで、安倍首相が発足させた有識者会議で挙げられている、集団的自衛権を行使する具体的なケースのうち、アメリカを守ることにかかわる2つについて考えてみます。

ケース1 アメリカの戦艦を守る

公海上の米艦防護
まず一つ目のケースを紹介します。公海上(どこの国のものでもない海)でアメリカの戦艦がミサイルを撃ち落とすためにレーダーをミサイル基地方向に集中させて、戦艦の周りを監視する能力が低下しているときに、海上自衛隊の艦船が北朝鮮のミサイルなどからアメリカの戦艦を護衛するというものです。

ただ、近年はアメリカの戦艦の防御能力が向上し、「アメリカ側からかつてほどの要請はない」(防衛省幹部)という指摘もあります。

そもそも、弾道ミサイルの配備を進めてきた北朝鮮が本格的な武力行使に踏み切った場合、在日米軍基地が攻撃目標になる可能性が高いのです。日本にある米軍基地は日本の領土なので、日本政府は現在でも認められている個別的自衛権(自分で自分を守ること)によって、米軍基地や部隊を防護することが可能です。したがって、集団的自衛権を認めてまでアメリカの戦艦を守る必要があるかは疑問です。

ケース2 北朝鮮からアメリカに向かうミサイルを破壊

ミサイル迎撃
次に二つ目のケースを紹介します。北朝鮮から米軍基地があるグアムやアメリカ本土に向けて発射されたミサイルを、自衛隊のミサイル防衛システムで破壊するというものです。

ただ、米本土やグアムに向かうミサイルを、自衛隊の戦艦から発射するミサイルで破壊するのは技術的に不可能で、現実味に欠ける想定だという指摘も根強くあります。

たとえ将来ミサイルを破壊できるようになったとしても、日本に間違って落ちてくるかもしれないからという理由で、アメリカに向けて発射されたミサイルでも、集団的自衛権ではなく危険物の除去という名目で破壊できる、という見方もあります。

また、元外交官で評論家の孫崎享さんは「仮に北朝鮮が米国に弾道ミサイルを発射した場合、日本が集団的自衛権を行使して迎撃すれば、米国にとってはプラスだ。北朝鮮は日本に報復するのでプラス、マイナスゼロ。しかし、報復攻撃される日本はマイナスにしかならない」と指摘しています。

集団的自衛権は慎重に判断する必要

このように、日本がアメリカを守るためには集団的自衛権が必要だ、という主張には釈然としない面があります。これまでの方針を大幅に変えることになるわけですから、集団的自衛権を認めるかどうかは慎重に判断する必要があります。(今野優之)

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