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もはや他人事じゃ済まされない。生活保護引き下げの影響はこんなところにまで

2014/02/10 | Domestic

seikatuhogo
政府は、生活保護費のうち、食費や光熱費などにあたる「生活扶助」を3年で最大10%まで徐々に削減する方針を示しています。引き下げ幅は過去最大で、8月の給付分から始まりました。「これって生活保護をもらっている人だけの問題でしょ?」と思っているそこのあなた!生活保護の基準額は他の多くの生活支援制度の目安にもなっており、引き下げは受給者だけでなくこうした制度の利用者にも影響が及ぶ可能性があるのです。

住民税課され優遇もなくなる

その代表的な例が住民税の非課税限度額です。生活保護受給者は住民税が免除されますが、受給者でなくても前年の所得が限度額以下であれば、住民税は非課税となります。この限度額が、生活保護の基準額を考慮して決められてきたのです。

基準額の引き下げに伴い非課税の限度額が下がれば、住民税が免除されてきた低所得者の一部が課税されます。さらに、住民税は他の制度とも連動します。住民税が非課税である低所得者は、介護保険料が安くなったり、高額療養費の自己負担が下がったりします。こうした低所得者の優遇がなくなることで、影響がさらに広がる恐れがあります。

子供たちにも影響

全国の小中学生のうち6人に1人が受けている就学援助も影響を受けます。就学援助とは、経済的に困窮している子供の保護者に、給食費や学用品などの費用を援助する制度です。生活保護受給者だけでなく、市町村が必要と判断した生活困窮者も対象となります。援助を受けられる基準は自治体で異なり、例えば東京都江戸川区は世帯所得が生活保護基準の1・5倍未満、足立区では1・1倍未満となっており、生活保護基準が下がると支給を受けられなくなる世帯も出てきます。

最低賃金が下がるかも

最も身近な影響とみられるのが、最低賃金です。都道府県で最低賃金を決める際は、生活保護との「整合性に配慮する」と法律に明記されているからです。生活保護の基準が下がれば、最低賃金の底上げも難しくなります。

田村憲久厚生労働相は関係省庁や自治体に「他の制度に影響が出ないようお願いする」と協力を求めていますが、日本弁護士連合会は「最低賃金の引き上げが抑制されるどころか、最低賃金が下がるかもしれない」とし、保護基準の引き下げに反対しています。

一見関係なさそうでも関係あるのが政治

このように、一見ごく一部の人しか関係なさそうなことでも結構多くの人に関係がある、ということは政治に関してはよくあることです。皆さんもニュースを見るときなどは、はなから「自分には関係ないや」とは思わないようにしましょう。(今野優之)

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